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MAINTENANCE ADVICE

メンテナンス・アドバイス

メンテナンス・アドバイス

最良の音を保つため、ご自身でできるチェックポイントについてご紹介いたします。
ヴァイオリンなど弦楽器は、材料や接着のすべてが自然素材でできています。
このため、湿度や温度等、環境の影響によって音が変化し劣化してまうことがあります。
摩擦や、張力などの外からの力によって、交換や修正が必要な部位が出てきます。
定期的なメンテナンスの大切さを理解し、音質を維持することに心がけていただくことで、
より一層、音楽、演奏を楽しんでいただきたいと考えています。

駒は、まっすぐに立っていますか?

絃の音をボディーに伝える役割の駒は、絃の力によって支えられているだけで、表板に接着されているわけではありません。
重なる調絃や絃の緩みで、駒は微妙に動いています。駒の足が表板に密着し、表板のテールピース側に対し90°になっているか、常にチェックしましょう。
まっすぐ立っていない状態で使用を続けると、駒の変形につながるだけでなく、張力がかかったままで倒れてしまうこともあり、表板の損傷につながるなど重大な事故にもなりかねません。
また、駒足が密着していないと音の伝導効率は悪くなり、良い音を出すことができません。

上の写真は、変形してしまった駒の画像です。全体が折れ曲がったようになるものや、右端の画像のように、ねじれてしまっているものなどが見られます。
安定性からも危険な状態ですし、ねじれは正確な音程が取れなくなります。
このようになってしまったら、すぐに交換が必要です。

絃は切れなくても、劣化している。
駒の溝も重要チェック項目です。

左の画像は、絃が駒に食い込み、食い込んだところで摩擦が起こって絃のほつれが生じている楽器です。絃自体の錆も目立ちます。 駒の溝が深くなると、ほつれだけでなく、絃が切れやすく、絃の振動が悪くなるために音も悪くなります。
このような場合も、駒の修正や交換が必要になります。 また、絃は切れていなくても、長時間経過すると繊維が伸びきって本来の音質や音量が出なくなります。ほつれや錆のような外面だけでなく、絃の寿命を理解し、まめに交換することが良い音を保つ方法です。

正しい高さとアーチで削られた駒

駒にはスタンダードな高さとアーチがあります。大きく逸脱したものは、弾きにくく、重音が鳴らしづらかったり、反対に隣の絃を一緒に弾いてしまうということもあり得ます。
上の画像は、スタンダードな高さとアーチで作られた駒で、絃も駒の溝の上に適正に乗っています。溝の刻みも均等です。駒は楽器一つ一つに対して適正なものを作ります。

駒の正しい位置を知ろう

楽器による差異はありますが、概ね、チェックポイントは以下の通りです。左の画像を参照してください。
左右のf字の刻み(ノッチ)のライン上にに駒足の中心があるか。
駒がセンターに立っているか。左右のずれはないか。
指板の下部、E.G線と指板の端の距離が等距離にあるかどうかで測るのも一つの方法。
(差異が認められる場合は、ノッチの位置、指板、ネックがまっすぐでない場合も考えられるので、中庸な位置を割り出すことになります)

ナットの溝も確認しよう

ナットの溝も絃の摩擦で深くなっていきます。ナットの溝の問題によって、この部分で絃がほつれたり、切れたりすることもあります。
また、溝がすり減って、指板との高低がなくなれば、絃が指板と接触することになり、音程が取れなかったり、雑音の原因となります。
このような場合には、指板とナットの修正か、ナットの交換が必要になります。
左の画像は、ファーストポジションあたりでE絃と指板がほぼ接触してしまっている状態のもので、ナット溝の摩耗が原因です。

指板も消耗品、凹凸は整形してあげましょう

一般的には硬い黒檀を使用している指板ですが、指の圧力によって、使用度合いに準じ表面に凹凸ができてしまいます。
写真のような凹凸は音程が取れない、雑音が聞こえるなどの原因になります。
まずは、整形によって表面をきれいに保ちましょう。
また指板の厚み、アーチや、反りの付け方にもスタンダードな範疇があるため、必要な場合には交換をおすすめします。

雑音がする… はがれはありませんか?

楽器から雑音がする、びびりが出るなどの要因に、板のはがれや、指板のはがれがあります。
写真のように目視できる場合もありますが、にかわの接着が緩んでいる場合も、はがれが生じる手前の段階です。
楽器の表板、裏板の周囲を軽く叩いていき、違和感のある音がする場合には、はがれの可能性があります。はがれが疑われる場合には、すぐにご相談ください。

ニスの剥離はオリジナルを保ちながら修復を

オリジナルのニスは楽器特有のもので、尊重され保存されるべきものです。めったにニスの塗り替えなどはされるべきものではありませんが、 特に楽器の肩のように、手と接触する部分のニスの剥離については、横板等に汗がしみ込んで変形の原因ともなるため、補修が必要です。

前のような音がしない… 
魂柱のチェックをしましょう

使用環境や、季節の変化によって、魂柱は楽器に対して相対的長さが変化していると言えます。 これは楽器が呼吸し、膨張と収縮を繰り返しているからです。音質の変化を感じる場合、魂柱の交換、修正によっても響きの改善ができます。
楽器の音響システム上、最も重要な部位とも言える魂柱は定期的にチェックしましょう。

ペグの動き、大丈夫?

調絃はスムースにできていますか?ペグは押しこむ力で内側に入り込んでいくため、先端が徐々に飛び出してきます。
ペグホールとの形が合っていないと、絃が戻ったり、スムースに動かなくなり、演奏に支障が出ます。先端が飛び出してきた、きしみが出てきたという場合には修正や交換をしましょう。

クリーニングも大切なメンテナンス

松脂の粉による汚れは、ヴァイオリン、チェロなどの弦楽器の宿命です。
使用後は汗や、付着した松脂を必ず拭き取りましょう。松脂の堆積は、楽器の振動を妨げてしまいます。
こびりついた汚れは、専門技術者にクリーニング依頼をしましょう。

毛替えは定期的にしましょう

使用頻度にもよりますが、ヴィルトゥオーゾでは、年に1~2回の毛替えを推奨しています。
毛は、弾くことによって摩耗が進むほか、張力によってだんだんと伸びていきます。
画像は、左が毛替えをしたあとのもの、右が1年毛替えをしていないもので、どちらも一番緩めた状態の比較です。
毛の替え時は目で判断するのは難しいですが、このように緩めた時にばさつきがあったり、摩擦音がノイズと感じるようになる時がサインです。 いずれにしても、毛の寿命を理解し、まめに交換を心がけましょう。

湿度と温度をコントロールしましょう

概して日本の夏は高温多湿、冬は乾燥します。
楽器は高音と湿気に弱く、反対に乾燥のしすぎも板の割れが起こったり、楽弓の毛が縮んだりと、温度や湿度の管理は必須ともいえます。
人間が快適に過ごせる環境を、楽器も好むと言えるかもしれません。夏にはエアコンや除湿機、冬には加湿器を使用することをお薦めします。
夏の外出時の室内温度管理にも気を配っていただき、車内への放置は季節を問わず避けましょう。
このほか、楽器のケースや楽器本体に入れておくアイテムとして、乾燥剤、湿度調整シート、加湿器具なども利用するとよいでしょう。