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2023.05.09

バイオリンのお話し 「弦楽合奏のすすめ」杉田直樹によるコラム掲載 中日新聞WEB教えてナビ

https://oshiete.chunichi.co.jp/tokai/pro/372/column/1860/

弦楽合奏のすすめ

バイオリンやチェロを習っている方、あなたはどんな曲を弾いてこられましたか?何かしらの教則本に則って練習をされてきたことでしょうが、曲が弾けるようになる喜びはますますのやる気を引き出し、さらにレベルの高い曲に挑むモチベーションとなっていることでしょう。発表会があればそこで成果を披露し、次回に向けてますます頑張ろう!と思うものです。しかしながら、これらは「個」としての取り組みであり、孤独な努力であったり限定的な自己満足に陥ってしまいがちです。広く音楽の成り立ちを見れば、単独での演奏がいかに稀であるかに気づかされます。もし同じ「弾く」という行為に仲間がいたり、一緒に音を重ねることができたなら、もっと素敵な時空を体験できるのではないでしょうか。
一人での演奏を「ソロ」といいますが、これに対し二人以上で演奏することを「アンサンブル」といい、オーケストラのような規模でなく小編成の音楽などを室内楽と呼ぶこともあります。室内楽には「重奏」と「合奏」とがあり、重奏は各パートが一人ずつで構成される演奏形式です。 弦楽器だけの重奏にも弦楽二重奏・三重奏・四重奏・五重奏などさまざまな組み合わせがあります。 これに対し、同じ楽器を演奏するメンバー二人以上が同じパートで演奏を行うものを合奏と呼びます。
先日、私たちが催した茨城の弦楽器奏者によるアンサンブルコンサートでは、バイオリン二重奏、バイオリンとチェロの二重奏、バイオリンとビオラとチェロの三重奏、バイオリン二つとビオラ、チェロの四重奏、バイオリンとビオラ各二つとチェロで構成する五重奏という順に編成を増やしていく重奏と、最後に十二名による弦楽合奏をお楽しみいただきました。編成による音の響き方や圧力の違いを生で感じ取っていただける大変貴重な機会であったと思います。
アンサンブルでは音が重なる美しい響きや迫力、自身が和音や倍音に包まれるような言葉で言い表せない感覚を体感でき、仲間と呼吸、緊迫感、高揚感を共有することができます。普段の個人レッスンや練習と異なる体験が、新たな音楽の楽しみ方を見つける扉となるでしょう。
(杉田直樹/バイオリンの専門家)

つくば市アルスホール 5月3日~4日 出演: 安藤麻衣子/内山恭子/大橋あゆみ/高辻佳重/高辻瑶子/内藤知子/野末あけみ/萬代裕子/山崎響子/山田圭子/山本雅子/*吉川真未 *吉は土に口