ステファン・トマショー
現代を代表する弓製作者。多くの後進を育成した。1975年、ミルクールに設立されたヴァイオリン・弓製作学校を受験する。倍率15倍のなか、見事弓製作コースに合格し、ベルナード・ウーシャーの指導の下、最初の学びを始めた。卒業後はエティエンヌ・ヴァテロのもとで、J.F.ラファンとともに弓の修理にも携わっていた。製作においては、80年代主流だった角ばったスタイルではなく、ヴォワランの丸みを帯びたエレガントなラインに惹かれ、そこから発展させた自身のスタイルを貫いた。1982年にヴァテロに背中を押されて参加したVSAのコンクールで優勝し、世界にその実力を認められる。当時パリにあった彼の工房は、世界中から集まった弟子たちで溢れていたという。2001年に製作活動に専念するため、現在も工房を構えるマルセイユ近郊の街に居を移した。見えない部分の細部まで精巧に作られた彼の弓は、見た目の美しさはもちろん機能性も世界中で高く評価されている。
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